交通機関の利用時に、毎回切符を購入する手間が不要な交通系電子マネーは、今や電車・バスの利用頻度の高い都市部では必需品となりましたね。今や、交通機関の利用だけでなく、ショッピングでも大活躍の交通系電子マネーの中でも、今回はJR九州が発行する「SUGOCA(スゴカ)」についてまとめました。
SUGOCA(スゴカ)の特徴
「SUGOCA」は、JR九州が2009年に導入したICカード乗車券です。気になる「SUGOCA」という名前の由来は、「Smart Urban GOing CArd」の略称で、福岡の方言である「すごい」という意味の「すごか」にかかっています。ではSUGOCAの特徴について詳しく説明したいと思います。
SUGOCAの種類
JR九州から発行されているSUGOCAは、大きく4種類に分けることができます。
種類 | 特徴 |
SUGOCA 乗車券(無記名式) | ・名前や住所など個人情報の登録不要 ・紛失時カード残高が戻らない ・デザインが選べる |
SUGOCA 乗車券(記名式) | ・名前や住所など個人情報の登録必要 ・紛失時カード残高が戻る ・小児用は12歳になる年度の3/31まで ・小児用は両親など本人以外も購入可能 |
SUGOCA 定期券 | ・SUGOCA 乗車券機能 + 定期券機能 ・小児用のSUGOCA 定期券もある |
SUGOCA 特急定期券 (SUGOCA エクセルパス) | ・SUGOCA 乗車券機能 + 定期券機能 ・在来線特急列車の自由度も利用可能 ・小児用は無し |
また、上記以外に同じくSUGOCAエリアに含まれる北九州モノレールから発行される「monoSUGOCA」があります。
SUGOCAの購入
SUGOCAはSUGOCA発売機能付自動券売機もしくは、JR九州SUGOCAエリア内のみどりの窓口で購入することが可能ですが、カードの種類によって購入できる場所が異なるので注意が必要です。JR九州SUGOCAエリア内のみどりの窓口では、SUGOCA全種類の購入が可能です。ちなみに、無記名式SUGOCA乗車券以外は購入時に購入申込書の記入が必要になります。SUGOCA乗車券は、記名・無記名を問わず購入価格は一律2,000円で、このうちデポジット(預り金)500円が含まれているので、初期チャージ金額は実質1,500円になります。SUGOCA定期券・SUGOCA特急定期券には、デポジット分500円に通常の定期券運賃がプラスされますが、もともとSUICA乗車券を持っていて、定期券機能を追加する場合や定期券の更新時は、デポジット分はかかりません。デポジット分は、SUGOCA解約時に返金されます。
SUGOCA利用可能エリア
SUGOCAの利用可能エリアは、JR九州の都市部を中心とするほとんどの路線と、北九州モノレールの全線になります。ただし、SUGOCAエリア内はさらに「福岡・佐賀・大分・熊本エリア」「宮崎エリア」「長崎エリア」「鹿児島エリア」の4つに分かれており、エリアをまたいでSUGOCAを利用することはできません。エリアをまたいで利用する場合は、乗車券を通常の切符で購入して乗車しなければなりません。また、九州新幹線についてもJR九州の管轄下にありますが、SUGOCAを乗車券として利用できないので、乗車区間の乗車券・都九県が必要になります。エリアをまたいでの乗車はできませんが、SUGOCAは、全国相互利用対応の交通系電子マネーなので、本州や北海道の相互利用可能エリアでSUGOCAエリア内と同じように利用が可能です。
チャージ方法
SUGOCAへのチャージ方法は、現金とオートチャージがあります。現金でチャージする場合は、SUGOCAの表示がある自動券売機、自動精算機、チャージ機でのチャージが可能です。みどりの窓口や車内、無人駅ではチャージできないので注意が必要です。そのほか、コンビニやスーパーのレジ、セブン銀行ATMでもチャージが可能です。オートチャージを利用するにはJQ CARDへの入会が必要です。詳しくは次でご説明します。
提携クレジットカード
SUGOCAのオートチャージに必要な「JQ CARD」は、JR九州が各カード会社と提携して発行しているクレジットカードです。JQ CARD会員は、JR九州の駅ビルでのお買い物が5%OFFになったり、お得な割引切符を購入できる特典も受けられます。オートチャージサービスが利用できるクレジットカードはこのJQ CARDシリーズのみですが、JQ CARDは提携カードも含めてかなり多くの種類がありますので、ここでは、特に人気が高い2枚についてご紹介したいと思います。
JQ CARDセゾン
JQ CARDセゾンは、その名の通り、セゾンカードと連携して発行されているクレジットカードになります。JQ CARDシリーズの中でもベーシックな1枚で、SUGOCAへのオートチャージはもちろん、会員限定割引切符の購入や、JR九州グループの店舗や施設で受けられる優待など、JR九州関連の機能や特典が豊富に揃う1枚です。それに加えて西友・リヴィンでの割引きや、アメックスブランドを選んだ場合には、アメックス限定特典も利用できるので、実質年会費無料としては充実したサービスが受けられるカードです。ただし、カード自体にSUGOCA機能はついていないので、オートチャージを利用するためには、別途SUGOCAカードの用意が必要です。
JMB JQ SUGOCA
JALマイレージバンク機能とSUGOCA機能を併せ持つ、多機能一体型クレジットカードが「JMB JQ SUGOCA」です。基本的なJQ CARDの機能・特典に加え、対象となる航空便や店舗での利用でJALのマイルが貯められるのが特徴です。しかも、専用リーダーにカードをタッチするだけで、スムーズに飛行機への搭乗が可能になる「タッチ&ゴーサービス」も備えられています。JMB JQ SUGOCAで貯まったマイルと、「JRキューポ」は相互交換が可能なので、利用目的に合わせて集約させると、ポイントを最大限に利用できると思います。
便利な使い方
交通系電子マネーとして、交通機関の利用やお買い物で利用できるのはもちろん、それ以外にも便利でお得な使い方が、SUGOCAで貯まる「JRキューポ」の活用です。
JRキューポとは
JRキューポは、SUGOCAで列車に乗車したり、お買い物をするたびに貯まるポイントサービスです。SUGOCAを利用して、SUGOCA英ラナイを乗車すると、運賃の約1%のポイントが付与されます。電車に乗れば乗るほどポイントが貯まります。また、JR九州内の定期券の購入やSUGOCAへのオートチャージ、ショッピングでJQ CARDを利用してもJRキューポが貯まります。さらにJR九州が提供する「列車予約サービス」で新幹線や特急列車のネット予約をすると、乗車区間によって0.5~1%のポイントが付与されます。貯まったポイントは、SUGOCAに1ポイント=1円としてチャージすることができます。また、アミュプラザで利用できるショッピングチケットや、JR九州グループで利用できるギフト券やお食事券、提携している「Tポイント」や「Pontポイント」、「Gポイント」への交換が可能です。
まとめ
日常生活を便利にする交通系電子マネー「SUGOCA」を利用するなら、クレジットカードと連携させてのオートチャージが一番ですね。一体型のカードを選択して、より多くの特典を受けられるのがおススメです。