交通系電子マネーPiTaPa(ピタパ)の提携クレジットカード

キャッシュレス決済の追い風もあり、電車やバスなど交通機関にてタッチ&ゴーで利用できる交通系電子マネーの全国的な相互利用対応が進んでいます。そして、交通系電子マネーの中で、後払い形式(ポストペイ)の電子マネーとして人気を集めているのがPiTaPa(ピタパ)です。PiTaPaは、近畿エリアの私鉄を中心にエリアを形成しています。
今回は、ポストペイで便利、クレジットカードとも連携ができるPiTaPaについて、特徴やサービス内容を紹介します。

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交通系電子マネーPiTaPa(ピタパ)の特徴

PiTaPaは近畿エリアを中心に64の鉄道、バス会社によって構成されるスルッとKANSAI協議会が主体として発行している交通系の電子マネーです。多くの交通系電子マナーと同様なサービスを備えており、改札機にタッチするだけでスムーズに電車やバスを利用することが可能です。
PiTaPaの最大の利点は、支払いがポストペイ(後払い)式であることではないでしょうか。ポストペイは、使った分だけ後から口座引き落としなどで支払いをする仕組みになります。一般的な交通電子マネーにあるプリペイド式のような事前チャージをする必要はありません。ここでは、PiTaPaの特徴を詳しく解説します。

PiTaPaは全国相互利用エリアにも対応

PiTaPaは近畿地方を中心に、岡山や三重、愛知、静岡の一部へ利用できるエリアが広がっている電子マネーです。これらPiTaPaエリアでは、どこでもポストペイで利用することが可能になっています。また、近畿エリアで多くの人が使っている交通系電子マネーのICOCA(イコカ)のエリアでも、一部の路線ではPiTaPaポイストペイサービスへ対応がスタートしていて、PiTaPaエリアと同様に後払いで利用できます。そのほかでも、全国相互利用可能エリアでは、電車やバスの乗車でPiTaPaを利用できるようになっています。但し、全国相互利用可能エリアでは、他の交通系電子マネーと同じようにプリペイド式での利用になります。このエリアでは、ポストペイでの利用はできないので、事前にチャージが必要です。そこには注意が必要です。

PiTaPa加盟店でのショッピングに使えてポイントが貯まる

PiTaPaは、電車やバスの利用はもちろんのこと、PiTaPaのショッピング加盟店において電子マネー支払いに利用することができます。
では、どのような加盟店があるのでしょうか。下記にて、ジャンルごとの加盟店について紹介します。

・コンビニ:アズナス、京阪アンスリー/南海アンスリー、ファミリーマート、ローソン
・百官店、商業施設:阪急百貨店、阪神百貨店、近鉄百貨店、なんばパークス/なんばCITYなど
・スーパーマーケット、専門店:イズミヤグループ、成城石井、紀伊国屋書店、ヨドバシカメラ、洋服の青山など
・レジャー施設:ひらかたパーク、阪神甲子園球場、海遊館など
・タクシー:阪急タクシー、阪神タクシー、近鉄タクシー
・その他:コカコーラ自販機、タイムズパーキング

これらの加盟店では、利用金額に応じて100円ごとにアポイントが貯まります。ポイント名は「ショップdeポイント」と言われており、店舗によっては5倍〜20倍のポイントが獲得できる場合もあります。
ショップdeポイントは、500ポイントを50円相当として、当月のPiTaPa利用代金に自動的に充当されることになります。
これらは、PiTaPaをお得に利用できるサービスの一環となっています。効率的にポイントを貯めるためにも、ショッピング加盟店はチェックしておくことをお勧めします。

キャッシュレス還元対象

2020年10月1日からの消費税増税に伴いスタートしたキャッシュレス消費者還元事業の対象として、PiTaPaも入っています。対象のPiTaPa加盟店で対象機関中にPiTaPaで支払いをすると、通常のポイントに加えて2%または5%のポイント還元を受けられます。
5%還元の対象店の場合、100円につき50ポイントの大量ポイントを獲得することができます。本来、PiTaPaのポイント還元率は、0.1%なので決して高くありません。キャッシュレス消費者還元事業を利用することで、短期間で効率的にポイントを貯めることができるのです。キャッシュレス消費者還元事業対象店では、積極的にPiTaPaを利用することをお勧めします。

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PiTaPa運賃割引サービス

PiTaPaのお得なサービスとして欠かせないものが、PiTaPa運賃割引サービスになります。PiTaPaのエリア内においては、ほぼ全ての電車、バス路線でPiTaPaでの乗車に対して利用状況に応じた運賃割引サービスが設定されています。
割引のタイプを下記にて紹介します。

・利用回数割引
1ヶ月間の同一運賃区間の利用回数に応じて割引を適用(阪急電鉄、阪神電車、京阪電車、大阪モノレールなど)

・利用額割引
1ヶ月間の利用額の合算に応じて割引を適用(Osaka Metro/大阪シティバス、近鉄、京阪電車、阪急バス、京阪バスなど)

・指定区間割引
予め区間を指定し、1ヶ月の利用総額と指定区間に対し区間指定割引運賃(1ヶ月定期券運賃相当)を適用した場合の利用総額のうちやすい方の金額を適用(阪急電鉄、近鉄、京阪電車など)

・登録型利用額割引
交通機関が指定する条件を満たす利用に対し、通常とは異なる割引率の利用額割引を適用(Osaka Metro/大阪シティバス、叡山電車、京阪バス、近鉄バスなど)

・登録型定額:交通機関が指定する条件を満たす利用に対し、利用回数に関わらず毎月定額を適用(嵐電、阪神バス、阪急バスなど)

路線によっては、割引適用の条件や割引率の変動など、詳細な設定は異なります。また、複数割引のサービスを導入している場合もあります。
PiTaPaは、全国相互利用が可能な交通系電子マネーの中では、唯一のポストペイ(後払い)式電子マネーです。エリア内での運賃割引サービスが豊富で、お得に使いやすいところが魅力になっています。

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提携クレジットカード

PiTaPaには大きく2つの種類があります。1つは、PiTaPa機能のみを搭載したシンプルな単機能型のPiTaPaベーシックカードです。ベーシックカードは、PiTaPaエリア内の駅に設定されている入会申込書を使って申し込みができます。また、PiTaPa公式サイトから直接申し込みも可能です。月々の利用分は、指定した銀行口座から引き落としがされるようになっています。
もう一つは、クレジットカード会社から発行されているクレジットカードとセットになっているPiTaPaになります。これはさらに2種類あり、クレジット機能とPiTaPaが一体になったカード、クレジットカードとPiTaPaカードを2枚1組で利用するタイプがあります。クレジットカード一体型とセットタイプ型に関して、発行元や提携先、鉄道系や航空系、銀行系などいくつかジャンルに分けられます。
ここでは、鉄道系PiTaPaのお得な使い方と、PiTaPa提携クレジットカードについて紹介します。

鉄道系PiTaPa

PiTaPaとクレジットカード一体型でお勧めなのが、PiTaPaエリア内の鉄道会社と提携して発行している鉄道系のクレジットカードです。PiTaPaエリアの主要鉄道会社にナタル阪急阪神グループや京阪電鉄、近鉄などと提携して発行されているPiTaPaカード、クレジットカードのほとんどが、それぞれの鉄道会社で運営している電車やバス、ショッピング施設、レジャー施設などでお得に利用ができる優待特典やポイント特典を付帯しています。
通勤や通学で特定路線を頻繁に利用する人や、決まったお店で買い物をする人にとってはとてもメリットのある仕組みになっています。PiTaPaの便利さやお得さに加わる鉄道系のクレジットカード、PiTaPaカードは、ライフスタイルに合わせて選ぶことで、さらに便利に活用することができます。

PiTaPa提携クレジットカード

では、ライフスタイルに合わせてPiTaPaを選ぶのはどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、主要な鉄道系のPiTaPa提携クレジットカードについて紹介します。

■一体型
・エメラルドSTACIA PiTaPaカード
基本無料で2年目以降は、前年度1度も利用がない場合に1250円(税別)の年会費がかかってきます。阪急電鉄/阪神電車他グループ交通機関での利用に応じて0.5%〜1.0%ポイントの還元、阪急阪神グループ店舗や施設では最大3.5%ポイントの還元、阪急阪神グループの他、近畿エリアで使える優待特典多数付帯しています。

・ペルソナSTACIAアメックス
年会費は14000円(税別)かかります。阪急電鉄/阪神電車他グループ交通機関での利用に応じて0.5%〜1.0%ポイントの還元、阪急阪神グループ店舗や施設では最大3.5%ポイントの還元、阪急/阪神百貨店にて合計ポイント還元率10%、充実した旅行保険付帯、阪急阪神グループ他、近畿エリアで使える優待特典多数付帯しています。

■2枚1組セット型
・KIPS PiTaPaカード
基本は無料で2年目以降、前年度1度も利用がない場合は1250円(税別)の年会費がかかってきます。近鉄電車のPiTaPa利用にてポイント還元率0.5%、近鉄百貨店にてポイント還元率最大10%、その他近鉄グループの店舗、施設ではポイント還元率最大1%、近鉄グループ他、近畿エリアで使える優待特典多数付帯しています。

・e-kenet VISA PiTaPaカード
基本は無料で2年目以降、前年度1度も利用がない場合は2000円(税別)の年会費がかかってきます。おけいはんポイントとはなまるポイントポイントがダブルで貯まります、京阪電車のPiTaPa利用にてポイント還元率1%、京阪電車指定区間割引適用時ボーナスポイント10%、京阪グループの店舗、施設他、おけいはんポイント加盟店にてポイント還元率最大1%、京阪グループ他、近畿エリアで使える優待特典多数付帯しています。

・minapita(PiTaPa)カード
基本無料で2年目以降、前年度1度もショッピング利用がない場合は1250円(税別)の年会費がかかってきます。南海電車/泉北高速鉄道の利用に応じてポイント還元率0.5%〜1%、なんばパークス/なんばCITYにてポイント還元率最大7%、なんばパークス/なんばCITYでの月間利用額に応じてボーナスポイント進呈、その他南海グループの店舗、施設にてポイント還元率最大1%、南海グループ他、近畿エリアで使える優待特典多数付帯しています。

上記にあるように、各鉄道会社では自社グループの電車や店舗、施設に関しての独自優待を用意しています。一方、年会費基本無料のカードが大半で、近畿エリアで使える優待特典が豊富にあるなど共有点と言える部分が多数あります。

クレジットカード機能が備わりながらローコストで維持ができ、近畿エリアに住んでいる人にとってはとても活用しやすいものばかりです。鉄道系クレジットカードとの一体型、または2枚人組のセット型のどちらのPiTaPaを選ぶかは、最寄りの鉄道会社の提携カードからチェックすることをお勧めします。

便利な使い方

PiTaPaの便利な利用方法について説明します。

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現金でチャージ

PiTaPaへの現金チャージは、駅構内の券売機で行うことが可能です。入金は1000円単位で行え、入金額は1000円、2000円、5000円、10000円で選べます。PiTaPaの上限残高は20000円までになるので注意が必要です。

オートチャージ

オートチャージ機能に登録することで、残高が1000円以下になった時点で、定額が自動的に入金されるようになっています。改札口でタッチするだけでチャージされるので、余計な手間を省けます。オートチャージ機能は、PiTaPaの便利な使い方です。また、PiTaPaは後払い式機能を持つ数少ない電子マネーです。利用できる店舗などは関西エリアが多いので、関西に住んでいる人でまだ持っていない場合は、PiTaPaを持つことでお得かつ快適に過ごせるでしょう。

実店舗で決済

PiTaPaはコンビニでも利用することができる電子マネーです。コンビニではレジの際に小銭を出すのに手間取ることがよくありますが、そういった煩わしさをPiTaPaでは解消できます。カードを端末にタッチするだけで決済を完了させることができるからです。通勤などで急いでいるときなど、素早く決済を済ませることができるのはとても便利なカードということになります。

まとめ

PiTaPaを100%活用できるように改めて内容をまとめると、PiTaPaは交通系電子マネーとしては珍しいポストペイ(後払い)式であるということです。さらに運賃割引サービスやクレジットカードとの連携など、お得で便利なサービスが多く提供されており使い勝手の良い電子マネーとなっています。
特に鉄道系クレジットカードとの提携による優待やポイント特典は大きな魅力です。特定の路線やお店を頻繁に利用する人であれば有効活用することができます。PiTaPaは、関西エリアのコンビニ、商業施設、スーパー、レジャー施設などさまざまなジャンルのお店で利用することができるようになっています。
PiTaPaを利用する際は、こういったサービスをしっかりと把握してメリットを最大限活かした使い方をするのがお勧めです。